「土用」は雑節(季節の変化を目安とする日)の一つで、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間を指すとされています。
この期間中で十二支の「丑」の日に当たる日が「土用の丑」で、今年(平成30年)は7月20日と8月1日の2回あります。
夏の土用は立秋前を指し、“丑の日に「うなぎ」を食べれば夏バテしない”と言われて、昔からうなぎが食されてきました。
うなぎは「中品(ちゅうほん)」
世界最古の薬学書とされる「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」によれば、うなぎは、養生(ようじょう)を司り、無害なものも有害なものもあるので、よく見極めて利用すべきとされる「中品(ちゅうほん)」に分類されています。
病気が進行するのを押しとどめ、体が虚弱になったり、やせ細ったりするのを妨げ補う食品とされています。
古来より、泥の中に生息する植物(蓮根など)や生物(うなぎ、すっぽんなど)には滋養強壮作用があるとされ、この時期のうなぎは、暑さで夏バテした体を、その高い栄養価から立て直してくれるとされています。
近年、うなぎが希少生物に分類されて残念ですが、うなぎを増やす研究も進んでいるようです。日本古来からの食習慣の一つとして、今後も守られてゆく夏の行事の一つと考えられます。
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