最近職場の配置転換があったという20歳台の女性が漢方外来にやってきて、泣きそうな勢い。自分の職場の机に座ると、眼瞼けいれん、顔面けいれんが自然と起きてしまうというのです。
神経内科の先生にみてもらったが、何だかわからない西洋の薬を処方されそうになって困ったといいます。型通りの漢方の診察を終えて、
「配置転換によるストレスが原因だろうからもうすぐ慣れるだろう、それまでこれを飲んでいなさい」と言って、抑肝散(よくかんさん)を渡しました。
抑肝散は、眼瞼けいれん、顔面けいれんや歯ぎしりの妙薬として有名です。
はたして、彼女は、1ヶ月後にはほぼ症状のことなど忘れて、業務に打ち込んでいました。
漢方を知る方にはオーソドックスな症例ではありますが、漢方でなければなかなか治癒できない症例といえるでしょう。やはり西洋医学にはない良さがあるなと実感したものでした。
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